Episode8〜「見えない虐待」「分かってもらえない親の毒」②
ども、
ハルです。
前回の記事は夜の11時頃に書いていたのですが、母について書こうとしたところで胸が苦しくなり、動揺が止まらなくなりました。実家で母と同居していた頃のあれこれを思い出し、…とても嫌な気持ちになって、書くのを断念して、床についたのですが、なかなか眠れません。実は、今年に入ってから眠れない夜が続き、心療内科で眠剤を貰ったりして、ここ最近は眠れるようになっていたのですが…ダメですね、過去を思い出すと、動揺が止まらなくなり、眠りも浅くなります。
今回は、まとまった量を書くつもりですが、どこまで書けるか…(苦笑)
まあ、無理せずに書き進めていきます。
毒親の毒は伝染病と同じです。毒親に育てられた子は高確率で毒親になってしまうし、運良く縁を切って、親とは別の人生を歩むことが出来たとしても、時間が経って、思わぬ時に鬱を発症したりします。
親の毒は対処を誤ると人生全体に影響を及ぼします。僕はこの歳になってそれを思い知りました。親と縁を切って2年以上経ちますが、今年に入ってから鬱症状が続き、仕事がまったく出来ず、仕事が出来ない事で更に気分が落ち込む、という悪循環におちいりました。
無理をして走り続けてきて、エネルギーが空っぽになった、そんな感じです。自分を奮い立たせる力が体中どこを探しても無い。虚しさにおそわれて何をする気にもならない。
はっきり言って、僕は「専門家の治療」が必要な段階です。もっと早く対処するべきでしたが、正しい対処法を知らなかったから、こうなってしまったんだと思います。
暴力は目に見えて分かりやすいのですが、分かりにくいのは暴力をともなわない親の毒です。これは外側からはまず分からないし、当事者の子どもの方も気がつきません。気づいた時には既にたっぷりと毒を飲み込まされています。
子どもの頃はまったく気づきませんでしたが、成人してから、母と会話する時にイライラするようになりました。結婚して所帯を持つと、はっきり、母と顔を合わせるだけで不快になりました。
しかしなぜそう思うのかが分からない。腹が立ち、不愉快なのだけれど、それをどう言い表わしていいのかが分からないのです。
思い起こすと結婚を境に、僕の体質ははっきり変わりました。実家に住んでいた頃は、夜よく眠れず、胃が常にシクシク痛んでいました。結婚してからは夜ぐっすり眠れるようになり、胃も痛くなくなり、体重も増えました。
妻との生活に慣れ、それが普通になると、実家に帰るたびにストレスを感じるようになります。特に母と会話する時不愉快でたまらない。
実家には年に数度、妻と息子と一緒に帰省していましたが、しばしば「東京に行くと疲れる」と妻が漏らすようになりました。数年前から「お義母さんに会いたくない、東京の実家に行きたくない」と言うようになりました。
訳を聞くと「お義母さんは私の言い分に同意した事が一度もない。いつも否定してくる。私は人間として認められていない気がする」と言うのです。
え?と思いましたが、
妻と母のやりとりを聞いていると、確かにそうなのです。些細な事のようですが、妻が「お義母さん〜ですよね」と言うと、「〜」の部分を常に否定しています。
僕は妻の言い分を聞いて、僕との会話でも常にそうだったことに気がつきました。僕の言い分を無条件に全面的に肯定して、共感してくれた事は、思い出すかぎり一度もありません。
些細な話題はもちろんのこと、
僕が芸大を受験したいと言った時も、
妻と結婚したいと言った時も、
院展をやめると言った時も、
ただでさえ不安に感じる人生の重要な選択を、無条件に肯定してくれたことが一度もありません。
いつか僕は母に「なぜ否定ばかりするのか」と聞いたことがあります。
答えはこうでした。
「お前は肯定すると、すぐ天狗になる性格だから、鼻を折ってやらないとだめなんだ」
なるほど、常に否定するのは、我が子可愛さ、息子の成長の為だいうわけです。
ふざけるな。
毒親に育てられた子は、大人になっても自己肯定感を持つことが出来ない、とよく言われます。
50年も経って、やっと気がつきました。
俺は何をしても、自分に自信を持つことが出来ない人間だった。
常に不安で不安で仕方がなかった。
いつか俺はダメになる、という不安に怯えていた。
外側からは絶対にそんな風には見えなかったと思います。いつでも自信たっぷりに、迷いなく生きて、作品制作に励んでいた、と見えていたことでしょう。
でも僕の中には大きな不安がどっかり居座っていました。
いまの僕は、自信というエネルギーが枯渇しています。少し気分が上向きになって小さな自信が生まれても、体の中に巣食う毒が、わずかに生まれた自信を、片っ端からガツガツ食い尽くしてしまいます。
ここ最近の僕の体の中では、それが繰り返されています。
子どもには「自信」という土台がないのです。土台が充分に形成していないうちに、「教育的観点から」否定ばかりしていたら、常に不安を抱く人間になってしまいます。
…さて、
ここまで書いてきて、予想通り、かなりシンドイ。(笑)
母が、僕の自信を念入りに潰してきたエピソードを、もっともっと、書いてもいいのですが、息が苦しくなり、呼吸困難になってきました。(いやホントに。)
母とのエピソードは、とりあえず、ここでやめておきます。精神衛生的に非常に良くないですねぇ。。😓
この投稿は「見えない虐待」「分かってもらえない親の毒」という表題をつけています。
見えない虐待や毒は、子どもの方も気がつきにくいのです。気がつかないから、知らず知らずたっぷりと毒を飲み込んでいます。その毒はすぐに効くとは限りません。時限爆弾みたいに50歳を過ぎてから、我が身の侵食を開始することだってあるんです。
僕は今それに苦しんでいます。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
Episode8〜END〜
To be continued