Episode17〜お片づけの伝道師「こんまり」は何を布教したのか?
ども、
ハルです。
職業柄、引きこもりの毎日です。意識して外に出ないと、家にこもりっぱなしなので、よく散歩に出かけます。
甲府盆地の冬の朝は寒さが厳しいですが、一時間くらいせっせと歩くと汗ばんできて、冷たい空気が心地よく感じられます。
人と会うのが苦手なので、人気のない川の土手を歩いていると、道端の草が、露に濡れて、キラキラ輝いています。近くで見ると思いのほか美しい。
こんな小さな発見も、散歩の楽しみのひとつです。
でも、散歩も習慣化すると、発見の喜びが少なくなってくるようですね。三ヵ月ぐらい毎朝歩いて、「ちょっと飽きたな」と感じ始めたら、無理して続けず、一ヵ月くらい休みます。それから再開すると、ふたたび新鮮に感じられて、また楽しくなってくる。
そんな風にして、散歩を続けています。
ブログもこんな風に無理のないように続けたいですね。
数日前、こんな興味深い記事を読みました。
【日本発「こんまりメソッド」にアメリカ人女性が猛反対する理由と西洋の文化背景】
https://ameblo.jp/sacredokinawa/entry-12438571223.html
アメリカでブレイクしたこんまりさんですが、どうやら一部(というかかなりの数いるらしい)のアメリカ人女性にとっては、堪え難いほど目障りな存在らしい。
この記事の筆者の方は「日本人として当たり前の伝統的な価値観」が、「それと真っ向から食い違う西洋文化を基盤に生活している人(特に女性たち)から猛反発を食らっている」と分析しています。
このブログの他の記事を読むと、筆者さんは、その「日本人として当たり前の伝統的な価値観」は縄文の太古から続いている、と論じています。
これはその通りだと、僕も思います。
「生き物」だけでなく「物」に対して、まるで生命が宿っているように見なす感覚は、たしかに日本人が太古から持っていた精神文化だと僕も考えています。
だけど、「執着していた物を捨てると幸福感がおとずれる」という人間の心理を、「喜捨」というメソッドにして広めたのは、やはり、お釈迦様が始めてだったと、僕は思います。
お釈迦様が仏教を広めた当時、地位・名誉・財産・家族をホイホイ喜んで捨てて、出家する人間が後を絶たず、残された家族からすれば迷惑千万な仏教は、理解しがたい危険なカルト宗教だと思われていたそうです。
僕たち日本人はずいぶん長いこと仏教に馴染んでいるので、喜捨を特別おかしいとは思わないですが、大量消費社会の総本山たるアメリカで「物を捨てることに喜びを感じる人々」がみるみる増えてゆく現象を「気味悪い」と感じる人が居るのは、まあ考えてみれば、当然なのかも知れませんね。
だいたい、こんまり流お片づけ術って、お片づけがある程度まで行き着くと、次は「要らないものは最初から買わない」というステージに至るわけです。
大量消費文化とは真っ向から対立する思想ですね。
長い目で見れば、欧米人が世界に広めた大量消費文化はやがて終わり、僕ら日本人にはお馴染みの、捨てる・買わない・持たない文化がそれにとって代わり、これからどんどん広まってゆくだろう、と僕は想像しています。
溢れるように物を作って、それを次々に買い、消費してゆく、そうしないと成り立たない社会、そんな社会に多くの人がウンザリしているし、そもそも幸福感がぜんぜん感じられない。
捨てる・買わない・持たない、を実践してみると意外や意外、心が軽くなり、思いがけないほど幸福感を感じる。…
このことに気づく人は、これから、どんどん増えてくるでしょうね。
「こんまり流お片づけ術」
「断捨離」
「ミニマム生活」
言い方は様々ですが、目指すところは同じです。関連本もたくさん出てますし、ネットにもお役立ち情報がたくさんあります。それを読んで、その通りに実践すると、大抵の人は心が軽くなる実感が得られます。
でも、片付けられるMAXをはるかに超える大量のモノを溜め込み、家の中が足の踏み場もない魔窟のようになっていて、自力ではもう何も出来ないという、重症の捨てられない・片付けられない人がいて、そういう人の為に「整理収納アドバイザー」というお仕事をする人が存在しているのです。
それが、僕の妻の職業です。
よろしければリンク先を、どぞ。
【整理収納アドバイザー すまいるプラス】
整理収納アドバイザーという職業は、まだ耳慣れない人が多いかも知れません。
単なるお片づけ・清掃の代行業ではありません。
お片づけが出来ない人の意識を変えるお手伝いをする仕事です。
家の中の状態は、そこに住んでいる人の心の状態に密接にリンクしています。
家の中が(他人の目には)不要な物で溢れているのに、何故捨てられないのか? それは執着心が強いからです。本人はそれに気づいていません。
整理収納アドバイザーという仕事も「物を捨てると、心が軽くなる」という人間心理を応用しています。
清掃・お片づけ代行業者が、クライアントに代わって家の中を片付けて、物を捨てても、クライアントの意識を変えることは出来ないのです。
クライアントが自分の意思で片付けられる・捨てるようにならなければ、不要な物をまた買って、家の中は元に戻ってしまいます。
妻の話によると、まったく捨てられない・片付けられないクライアントが、アドバイザーの指導に従って、自分の意思で物を捨てられる・片付けられるようになった時、意識が劇的に変化するそうです。
Episode12で書きましたが、仏教が目指すところは解脱、つまり自分を縛り付けていたものを解きほぐし脱することです。
家の中が物で溢れている人は、無意識のうちに物に執着し、物に縛られています。その執着心を手放すと、心が軽くなり、幸福感がおとずれる、というわけです。
https://halnoyamanashi.hatenadiary.jp/entry/2019/02/12/095003
妻は、自分の母親との関係に長い間悩んだ経験がありました。
なので、最初は、家族関係に悩む人たちをサポートするカウンセラーになる夢を持っていたのです。
カウンセリングの勉強をしている際に、整理収納アドバイザーという職業があることを知ったそうです。
妻に仏教の素養はぜんぜんありませんが、「家族の問題を解決するには、要らない物を捨てて、片付けをして、住む場所の環境を変える」ことが有効だということに着眼したのは、慧眼だったと言わざるを得ません。
いま、その仕事に打ち込んでいますが、家が物で溢れている家は、家族関係に問題がある家庭が多いそうです。
それでは、今日はこの辺で❗️
ここまでお読みくださり、ありがとうございます😊
Episode17〜END〜
To be continued